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【JIRINな人】林業を「社会課題」から「可能性」へ。JIRINでの出会いが事業を前に進めるきっかけに。ー辻村正樹さんー
#JIRIN#パートナー
2022.02.16
「コワーキング×コラーニング」をコンセプトとする、コワーキングスペース「JIRIN」は、仕事や勉強にお使いいただける場であるとともに、スモールビジネスでまちを元気にする取り組み「N.PARK.PROJECT」の拠点でもあります。
この連載「JIRINな人」では、ユニークな取り組みをされているJIRINの会員さんをご紹介していきます。
今回お話を伺ったのは辻村正樹さん。辻村さんは家業の工務店で働きつつ、ご自身のプロジェクトとして林業に関わる事業「KARAMA PROJECTS(カラマプロジェクト)」を構想していたところ、JIRINでの出会いを通して、事業が大きく進み始めたとのこと。
ご自身の事業への想いと、JIRINを通しての変化、そしてこれからの展望について伺いました。
この連載「JIRINな人」では、ユニークな取り組みをされているJIRINの会員さんをご紹介していきます。
今回お話を伺ったのは辻村正樹さん。辻村さんは家業の工務店で働きつつ、ご自身のプロジェクトとして林業に関わる事業「KARAMA PROJECTS(カラマプロジェクト)」を構想していたところ、JIRINでの出会いを通して、事業が大きく進み始めたとのこと。
ご自身の事業への想いと、JIRINを通しての変化、そしてこれからの展望について伺いました。
辻村正樹
大阪府出身。ご実家の工務店で勤務する傍ら、木を使った商品やサービスをつくる「KARAMA PROJECTS」を開始。「日本の木からエンタメを作る」をビジョンに、建築にとどまらない木の商品やサービスづくりを通して、林業の可能性や林業従事者の魅力発信事業を構想中。
林業が「かっこいい」仕事であると知ってほしい
―今日はよろしくお願いいたします。まず辻村さんが取り組んでいらっしゃる「KARAMA PROJECTS」について教えてください。
KARAMA PROJECTSは「日本の木からエンタメをつくる」をビジョンに、林業の可能性を提示していく取り組みです。僕にとってエンタメとは、人に関わる商品やサービスのことを指していて、木から建築にとどまらない商品やサービスをつくることで林業の可能性を発信し、林業の再興に貢献したいと思っています。
ー辻村さんはなぜ林業に関わりたいと思ったのですか?
理由は二つあります。一つは単純に僕が木が好きだったこと、もう一つはより社会の役に立つことに取り組みたかったからです。
僕は昔から森へキャンプに行ったり、木の椅子や机の木目柄が好きだったりと木に惹かれることが多かったんです。学生時代も土木の研究をしていたので、木は昔から身近な存在でした。大学院修了後は店舗や商業施設のディスプレイをつくる仕事をしていて、ものづくりの経験も積み上げてきたなかで、そろそろ自分の培ってきた経験をより社会の役に立つことに使いたいと思いました。
日本では農業や漁業といった第一次産業が衰退し、輸入に頼る部分も多くなっています。林業では、国内産の木材の供給率は約40%と自給率が低い。今回のコロナでは、海外のロックダウンなどの影響で物資が輸入できず、建築業界では納品ができないなどの大きな混乱が起きています。
僕はこの状況に強い危機感を持っていて、このまま海外に多くのものを依存してしまうと、次の世代が大人になったとき、日本は海外の状況に大きく左右される不安定な国になってしまう。だから、僕ができることで社会の基盤をつくり、次の世代にちゃんと良い社会を残したい。それで、自分の好きな「木」と、自分が社会に提供できる「ものづくり」という価値をかけ合わせたときに思い至ったのが「林業の再興」でした。
KARAMA PROJECTSは「日本の木からエンタメをつくる」をビジョンに、林業の可能性を提示していく取り組みです。僕にとってエンタメとは、人に関わる商品やサービスのことを指していて、木から建築にとどまらない商品やサービスをつくることで林業の可能性を発信し、林業の再興に貢献したいと思っています。
ー辻村さんはなぜ林業に関わりたいと思ったのですか?
理由は二つあります。一つは単純に僕が木が好きだったこと、もう一つはより社会の役に立つことに取り組みたかったからです。
僕は昔から森へキャンプに行ったり、木の椅子や机の木目柄が好きだったりと木に惹かれることが多かったんです。学生時代も土木の研究をしていたので、木は昔から身近な存在でした。大学院修了後は店舗や商業施設のディスプレイをつくる仕事をしていて、ものづくりの経験も積み上げてきたなかで、そろそろ自分の培ってきた経験をより社会の役に立つことに使いたいと思いました。
日本では農業や漁業といった第一次産業が衰退し、輸入に頼る部分も多くなっています。林業では、国内産の木材の供給率は約40%と自給率が低い。今回のコロナでは、海外のロックダウンなどの影響で物資が輸入できず、建築業界では納品ができないなどの大きな混乱が起きています。
僕はこの状況に強い危機感を持っていて、このまま海外に多くのものを依存してしまうと、次の世代が大人になったとき、日本は海外の状況に大きく左右される不安定な国になってしまう。だから、僕ができることで社会の基盤をつくり、次の世代にちゃんと良い社会を残したい。それで、自分の好きな「木」と、自分が社会に提供できる「ものづくり」という価値をかけ合わせたときに思い至ったのが「林業の再興」でした。
―林業の再興にもいろんな方法がありますが、辻村さんはどのようなことに取り組みたいと思われていますか?
林業は様々な問題を抱えていますが、僕は特に、林業従事者の減少と高齢化に問題意識を持っています。林業ってプロダクトとしての成果物に直結していないことが多くて、林業従事者の方は納品した先の商品やお客さんの姿をあんまり知らないんです。
だから僕は木を使った新しい商品やサービスをつくり、製品やお客さんの姿をちゃんと可視化して、林業従事者にフィードバックしたいと思っています。トレーサビリティのあるものづくりって言うんですかね。そうすることで、林業従事者の方は今まで以上に誇りをもって働けるようになるし、職業としての林業の魅力をより強く発信できるのではないかと思うんです。
―需要をつくるだけでなく、生産側をサポートしてより持続可能な林業をつくっていくということですね。面白いです。
林業は様々な問題を抱えていますが、僕は特に、林業従事者の減少と高齢化に問題意識を持っています。林業ってプロダクトとしての成果物に直結していないことが多くて、林業従事者の方は納品した先の商品やお客さんの姿をあんまり知らないんです。
だから僕は木を使った新しい商品やサービスをつくり、製品やお客さんの姿をちゃんと可視化して、林業従事者にフィードバックしたいと思っています。トレーサビリティのあるものづくりって言うんですかね。そうすることで、林業従事者の方は今まで以上に誇りをもって働けるようになるし、職業としての林業の魅力をより強く発信できるのではないかと思うんです。
―需要をつくるだけでなく、生産側をサポートしてより持続可能な林業をつくっていくということですね。面白いです。
JIRINでの出会いを通して、事業がどんどん加速していった
―辻村さんはなぜJIRINに入居してくださったのでしょうか?
事業を進めるためのデスクワークができる場所を探していたところ、WEBでJIRINを知り、コワーキングスペースだけでなく「N.PARK PROJECT」として奈良のスモールビジネスをサポートする取り組みに興味を持ちました。当時から林業に関わる事業を構想していたものの、林業従事者の方との繋がりもなかったので、事業のためにも、林業を始めとした様々な方に出会えるコミュニティを探していたんです。そんななか、JIRINはただワークスペースを提供しているだけじゃなくて会員同士の交流も大事にしていることを知り、ここなら新しい出会いがあるかもしれないと入居を決めました。
事業を進めるためのデスクワークができる場所を探していたところ、WEBでJIRINを知り、コワーキングスペースだけでなく「N.PARK PROJECT」として奈良のスモールビジネスをサポートする取り組みに興味を持ちました。当時から林業に関わる事業を構想していたものの、林業従事者の方との繋がりもなかったので、事業のためにも、林業を始めとした様々な方に出会えるコミュニティを探していたんです。そんななか、JIRINはただワークスペースを提供しているだけじゃなくて会員同士の交流も大事にしていることを知り、ここなら新しい出会いがあるかもしれないと入居を決めました。
―実際に入居してみて、事業に変化はありましたか?
すごくありました! 入居して数日後にJIRINでランチ会があり、そこで僕の事業をお話したところ、スタッフさんが「今度、奈良の森でサウナイベントをするのですが、ちょっと困っていることがあるので手伝ってくれませんか?」と声をかけてくださって。イベントで使用するサウナの動線設計をさせてもらったんです。
そのおかげでイベント会場の森を所有する林業の企業さんと繋がることができ、今でも良い関係をつくれています。さらに、スタッフさんを通じて林業関係の方を何人か紹介していただき、自分の事業をより具体的に進められる基盤ができつつあります。JIRINに入居するまでは事業も構想段階でしたが、JIRINから始まった繋がりのおかげで、どんどん前に進めていくことが出来そうです。
―私たちがそんなにお力になれているとは……! 嬉しい限りです。
すごくありました! 入居して数日後にJIRINでランチ会があり、そこで僕の事業をお話したところ、スタッフさんが「今度、奈良の森でサウナイベントをするのですが、ちょっと困っていることがあるので手伝ってくれませんか?」と声をかけてくださって。イベントで使用するサウナの動線設計をさせてもらったんです。
そのおかげでイベント会場の森を所有する林業の企業さんと繋がることができ、今でも良い関係をつくれています。さらに、スタッフさんを通じて林業関係の方を何人か紹介していただき、自分の事業をより具体的に進められる基盤ができつつあります。JIRINに入居するまでは事業も構想段階でしたが、JIRINから始まった繋がりのおかげで、どんどん前に進めていくことが出来そうです。
―私たちがそんなにお力になれているとは……! 嬉しい限りです。
木の服を通して、林業の可能性を広げていきたい
―これから事業が進んでいくとのことですが、今後はどんな挑戦をされるのですか?
これからは建築以外でライフスタイルに近いものづくりにも挑戦しようと、木でつくった布で衣料品をつくりたいと思っています。大阪に間伐材を使った布を生産している企業があり、その布で洋服を製作して、企業向けに販売していきたいんです。例えば、木の布で企業の制服をつくってみるとか面白いなと思っていて。大きな需要になって間伐材の使い道も広がりますし、企業側はCSRの観点でソーシャルインパクトが強い事業ができる。だから、このプロジェクトを通して、木の布の可能性と林業の可能性をより広く伝えていきたいです。
これからは建築以外でライフスタイルに近いものづくりにも挑戦しようと、木でつくった布で衣料品をつくりたいと思っています。大阪に間伐材を使った布を生産している企業があり、その布で洋服を製作して、企業向けに販売していきたいんです。例えば、木の布で企業の制服をつくってみるとか面白いなと思っていて。大きな需要になって間伐材の使い道も広がりますし、企業側はCSRの観点でソーシャルインパクトが強い事業ができる。だから、このプロジェクトを通して、木の布の可能性と林業の可能性をより広く伝えていきたいです。
―すごく素敵ですね。
ありがとうございます。今は工務店勤務とのパラレルキャリアでKARAMA PROJECTSを行っていますが、将来的にはこの2つの仕事を繋ぎ合わせて、今までの工務店では出来なかったことにもチャレンジしたいと思っています。KARAMA PROJECTSはそういう意味でも、少し未来を見据えた事業になるのかなと。
―これからの事業展開がとても楽しみですし、私たちもこれから一緒にサポートすることができるのが楽しみです! 今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました!
<INFO>
KARAMA PROJECTS 公式サイト:https://www.karamaprojects.com/
====
文:外村祐理子、編集:谷尻純子
ありがとうございます。今は工務店勤務とのパラレルキャリアでKARAMA PROJECTSを行っていますが、将来的にはこの2つの仕事を繋ぎ合わせて、今までの工務店では出来なかったことにもチャレンジしたいと思っています。KARAMA PROJECTSはそういう意味でも、少し未来を見据えた事業になるのかなと。
―これからの事業展開がとても楽しみですし、私たちもこれから一緒にサポートすることができるのが楽しみです! 今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました!
<INFO>
KARAMA PROJECTS 公式サイト:https://www.karamaprojects.com/
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文:外村祐理子、編集:谷尻純子