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【JIRINな人】広報あっての広告。PR支援を通して、中小企業の「コミュニケーション能力」を高めたい ー堀川雄一さんー
#JIRIN#パートナー
2022.04.19
「コワーキング×コラーニング」をコンセプトとする、コワーキングスペース「JIRIN」は、仕事や勉強にお使いいただける場であるとともに、スモールビジネスでまちを元気にする取り組み「N.PARK.PROJECT」の拠点でもあります。
この連載「JIRINな人」では、ユニークな取り組みをされているJIRINの会員さんをご紹介していきます。
今回ご紹介するのは堀川雄一さん。東京で広告のレタッチャーやフォトグラファーとして活躍後、生まれ故郷の奈良に戻り、現在は中小企業のPR支援やクリエイティブディレクションなど幅広く活動されています。
今回のインタビューでは、広告からクラウドファンディング制作やPR支援といった、様々なキャリアを伺いながら、堀川さんの「中小企業のコミュニケーション能力を高めたい」という想いに迫りました。また、堀川さんならではのJIRIN活用法にも注目です。
この連載「JIRINな人」では、ユニークな取り組みをされているJIRINの会員さんをご紹介していきます。
今回ご紹介するのは堀川雄一さん。東京で広告のレタッチャーやフォトグラファーとして活躍後、生まれ故郷の奈良に戻り、現在は中小企業のPR支援やクリエイティブディレクションなど幅広く活動されています。
今回のインタビューでは、広告からクラウドファンディング制作やPR支援といった、様々なキャリアを伺いながら、堀川さんの「中小企業のコミュニケーション能力を高めたい」という想いに迫りました。また、堀川さんならではのJIRIN活用法にも注目です。
合同会社あおに 代表 堀川雄一
1984 年生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。 博報堂プロダクツ REMBRANDT 退社後、MORE VISION Tokyo 腰塚氏に師事し、2009 年に独立。24 歳でフリーランスフォトグラファーとしても起業。現在は、活動の場を東京から生まれ故郷の奈良に移し、経営理念開発からブランディング、デジタルマーケティング、Web分析・解析まで、中小企業のプロモーション支援を一気通貫で行う。クラウドファンディングに関しては、「Makuke」にて中小企業のプロモーション制作を手がける。 2022 年 4 月現在、ディレクションに携わったプロジェクト制作数 80 件、累計総支援額 1.3億 円、総サポーター 1.8万人を達成。2021年10月、合同会社あおに設立。
広告のレタッチャーから中小企業のPR支援へ
ーまず、堀川さんのキャリアから教えてください。最初は広告のレタッチャーをしていたと伺いました。レタッチャーってどのようなお仕事ですか?
レタッチャーというのは撮影した写真の色や光を調整し、様々な写真を合成する仕事のことです。大学では写真を専攻していて、もっと自分の作品をコントロールしたくレタッチを学ぼうと、レタッチャーの職を選びました。その後、24歳でフォトグラファーとして起業し、作品づくりをしたり写真のワークショップをしていました。
ーその作品が海外で入選するなど活躍されていたなか、30歳で地元である奈良に帰って来られていますよね。それはなぜでしょう?
奈良に帰ってくる前年に東日本大震災が起きて、震災後も日常生活で困ることが多かったんです。自分も関東圏にこだわっているわけではなかったし、もう少し家族とゆっくりした暮らしをしたいと思ったので、奈良に帰ってきました。とはいっても、妻に田舎は嫌だと反対されて説得するのが大変でしたが(笑)。
ー奈良に帰ってきて、キャリアに変化はありましたか?
ありました。奈良に帰ってきた当初は、大阪の本町に事務所をつくり広告の仕事をしていましたが、あまりしっくりこずあっさり辞めました。その後、一緒に仕事をしていた機材屋さんから「クラウドファンディング制作の依頼があるんだけど、表現方法がわからず困っている」と相談があったんです。僕は作品づくりを通して表現方法を考えるのが好きだったので、ディレクターとして一緒にクラウドファンディング制作を始めました。それがきっかけで、様々なクラウドファンディングのディレクションを手がけるようになり、今ではクラウドファンディング制作のノウハウをセミナーでお伝えしたり、中小企業のPR支援をしています。
レタッチャーというのは撮影した写真の色や光を調整し、様々な写真を合成する仕事のことです。大学では写真を専攻していて、もっと自分の作品をコントロールしたくレタッチを学ぼうと、レタッチャーの職を選びました。その後、24歳でフォトグラファーとして起業し、作品づくりをしたり写真のワークショップをしていました。
ーその作品が海外で入選するなど活躍されていたなか、30歳で地元である奈良に帰って来られていますよね。それはなぜでしょう?
奈良に帰ってくる前年に東日本大震災が起きて、震災後も日常生活で困ることが多かったんです。自分も関東圏にこだわっているわけではなかったし、もう少し家族とゆっくりした暮らしをしたいと思ったので、奈良に帰ってきました。とはいっても、妻に田舎は嫌だと反対されて説得するのが大変でしたが(笑)。
ー奈良に帰ってきて、キャリアに変化はありましたか?
ありました。奈良に帰ってきた当初は、大阪の本町に事務所をつくり広告の仕事をしていましたが、あまりしっくりこずあっさり辞めました。その後、一緒に仕事をしていた機材屋さんから「クラウドファンディング制作の依頼があるんだけど、表現方法がわからず困っている」と相談があったんです。僕は作品づくりを通して表現方法を考えるのが好きだったので、ディレクターとして一緒にクラウドファンディング制作を始めました。それがきっかけで、様々なクラウドファンディングのディレクションを手がけるようになり、今ではクラウドファンディング制作のノウハウをセミナーでお伝えしたり、中小企業のPR支援をしています。
2月にJIRINで開催した「クラウドファンディング講座」でも、講師としてご登壇いただきました!
ーフォトグラファーから企業のPR支援って結構大きなキャリアチェンジですよね。
一見そう見えますが、僕としては全部繋がっていると思っていて。広告の仕事をしていたからこそ、広告だけではだめで、広報あっての広告だと断言できます。広報と広告って繋がっているんですよね。
あと、自分の得意なことに仕事が自然と寄っていった気もしています。僕は写真の作品づくりがとても遅い方なんです。なぜなら、「自分がなぜこれをつくるのか?」といった目的を深掘りして考え、分析しながら動くからです。また、僕は撮るよりも教える方が好きで、自分の考えていることやノウハウをかみ砕いて話すことが得意。なので、クラウドファンディング制作のセミナー講師に繋がったんだと。だから自分の深く考える力や、それをちゃんと伝わる言葉で話す力が、今の仕事にすごく合っているんだと思います。
ー奈良に帰ったことをきっかけに、堀川さんの持ち味が発揮できるお仕事が集まってきたのかもしれないですね。
そうですね。東京では何でも仕事があると言われますが、個人的には仕事のバリエーションはあまりない気がします。一方、田舎の方が意外といろんな仕事に出合える気がしていて、僕はそっちの方が合っていたのかもしれないですね。
一見そう見えますが、僕としては全部繋がっていると思っていて。広告の仕事をしていたからこそ、広告だけではだめで、広報あっての広告だと断言できます。広報と広告って繋がっているんですよね。
あと、自分の得意なことに仕事が自然と寄っていった気もしています。僕は写真の作品づくりがとても遅い方なんです。なぜなら、「自分がなぜこれをつくるのか?」といった目的を深掘りして考え、分析しながら動くからです。また、僕は撮るよりも教える方が好きで、自分の考えていることやノウハウをかみ砕いて話すことが得意。なので、クラウドファンディング制作のセミナー講師に繋がったんだと。だから自分の深く考える力や、それをちゃんと伝わる言葉で話す力が、今の仕事にすごく合っているんだと思います。
ー奈良に帰ったことをきっかけに、堀川さんの持ち味が発揮できるお仕事が集まってきたのかもしれないですね。
そうですね。東京では何でも仕事があると言われますが、個人的には仕事のバリエーションはあまりない気がします。一方、田舎の方が意外といろんな仕事に出合える気がしていて、僕はそっちの方が合っていたのかもしれないですね。
お仕事スペースだけではない、JIRINの使い方
ー堀川さんがJIRINを知ったきっかけを教えてください。
僕がクラウドファンディングで関わった企業が、中川政七商店さん主催の「大日本市」に出店をしていました。当時僕は、クラウドファンディングをしてもその後の売上には繋がりにくいことに悩んでいて、「御社の『大日本市』が僕のやりたかったことだ!」と、お問い合わせフォームにその想いを4000字くらいの長文で送ったんです(笑)。すると丁寧に返信をくれて、「経営とブランディング講座」にお誘いいただいて。「経営とブランディング講座」を受講してみたら、中川政七商店さんのビジョン思想や戦略の建て付けにすごく共感しました。その後、JIRINがオープンしたタイミングで会員になり、SMALL BUSINESS LABOやいろんなイベントにも参加しています。
とはいうものの、仕事は基本自宅でしているので、JIRINに来るのは月1回くらいなんですが。
ー確かに、JIRINに頻繁にはいらっしゃらないイメージです。それでもなぜJIRIN会員を続けてくださっているんですか?
答えは簡単で、JIRINに常駐している社員さんに話を聞けるからです。僕は基本一人で仕事をしているので、自分が行き詰っている時に客観的な意見がほしくなるんですよ。そんな時にJIRINに来て社員さんと会話すると、その一言から良いアイデアが生まれたりします。なので、JIRINは「悩みを相談できるお寺」みたいな場所として使っています。
ーJIRINはコワーキングスペースであると同時に、「コラーニング」つまり共に学ぶ場所というコンセプトも掲げています。堀川さんはまさにその使い方をしてくださっていますよね。
JIRINの社員さんは中川政七商店流の考え方も持ちつつ、教育・人事とか、広報とかそれぞれが持つキャリアの視点からも話をしてくれるので、話がすごく面白いんです。彼らの視点は僕にはないものなので、その話を聞けるだけでも、JIRINを使う価値があると考えています。
もっと言うと、社員さん以外にも、JIRINに出入りしている人はいろんな意味で濃い人が多いし、そういう人に出会える場所は奈良でもなかなかありません。だからそういう人に会いに来て、少し話をしてみる。そんな使い方ができるのも、JIRINならではの魅力だと思いますね。
あと、コラーニングと定義してくれているから聞きやすいのかもしれないです。コワーキングだと仕事の邪魔をしてはいけないですし。
僕がクラウドファンディングで関わった企業が、中川政七商店さん主催の「大日本市」に出店をしていました。当時僕は、クラウドファンディングをしてもその後の売上には繋がりにくいことに悩んでいて、「御社の『大日本市』が僕のやりたかったことだ!」と、お問い合わせフォームにその想いを4000字くらいの長文で送ったんです(笑)。すると丁寧に返信をくれて、「経営とブランディング講座」にお誘いいただいて。「経営とブランディング講座」を受講してみたら、中川政七商店さんのビジョン思想や戦略の建て付けにすごく共感しました。その後、JIRINがオープンしたタイミングで会員になり、SMALL BUSINESS LABOやいろんなイベントにも参加しています。
とはいうものの、仕事は基本自宅でしているので、JIRINに来るのは月1回くらいなんですが。
ー確かに、JIRINに頻繁にはいらっしゃらないイメージです。それでもなぜJIRIN会員を続けてくださっているんですか?
答えは簡単で、JIRINに常駐している社員さんに話を聞けるからです。僕は基本一人で仕事をしているので、自分が行き詰っている時に客観的な意見がほしくなるんですよ。そんな時にJIRINに来て社員さんと会話すると、その一言から良いアイデアが生まれたりします。なので、JIRINは「悩みを相談できるお寺」みたいな場所として使っています。
ーJIRINはコワーキングスペースであると同時に、「コラーニング」つまり共に学ぶ場所というコンセプトも掲げています。堀川さんはまさにその使い方をしてくださっていますよね。
JIRINの社員さんは中川政七商店流の考え方も持ちつつ、教育・人事とか、広報とかそれぞれが持つキャリアの視点からも話をしてくれるので、話がすごく面白いんです。彼らの視点は僕にはないものなので、その話を聞けるだけでも、JIRINを使う価値があると考えています。
もっと言うと、社員さん以外にも、JIRINに出入りしている人はいろんな意味で濃い人が多いし、そういう人に出会える場所は奈良でもなかなかありません。だからそういう人に会いに来て、少し話をしてみる。そんな使い方ができるのも、JIRINならではの魅力だと思いますね。
あと、コラーニングと定義してくれているから聞きやすいのかもしれないです。コワーキングだと仕事の邪魔をしてはいけないですし。
コミュニケーションパートナーとして、中小企業のコミュニケーション能力を高めたい
ー堀川さんが今後挑戦されたいことはありますか?
あんまりないかな…(笑)。とはいいつつ、最近JIRINの社員さんと話して言語化できたのが、僕のミッションは「中小企業のコミュニケーション能力を高める」です。僕が考えるコミュニケーションの二大要素は「話す」と「聞く」で、ビジネスにおいて「話す」はビジョンであり、「聞く」は自分を知ることに該当すると思っています。
例えば、企業のビジョンや想いを言語化し、写真・動画やデザインを活用し、ホームページなどのWEBを通して伝える「話す」。WEB分析・解析をもとに、自分たちがどういう風にみられているのか知ることによる「聞く」。その2つの視点から、中小企業のPRの基盤を高めていきたいと思っています。だから、今は「コミュニケーションパートナー」という肩書で活動し始めています。
あんまりないかな…(笑)。とはいいつつ、最近JIRINの社員さんと話して言語化できたのが、僕のミッションは「中小企業のコミュニケーション能力を高める」です。僕が考えるコミュニケーションの二大要素は「話す」と「聞く」で、ビジネスにおいて「話す」はビジョンであり、「聞く」は自分を知ることに該当すると思っています。
例えば、企業のビジョンや想いを言語化し、写真・動画やデザインを活用し、ホームページなどのWEBを通して伝える「話す」。WEB分析・解析をもとに、自分たちがどういう風にみられているのか知ることによる「聞く」。その2つの視点から、中小企業のPRの基盤を高めていきたいと思っています。だから、今は「コミュニケーションパートナー」という肩書で活動し始めています。
ー「コミュニケーション能力を高める」ですか。すごく素敵ですね。
ありがとうございます。「パートナー」と言っているのは、あくまでも発信する主体は支援している企業の側にあることをちゃんと伝えたいからです。発信することを誰かにすべて委託してしまうと、企業メッセージが少しズレた状態で伝わってしまいかねない。それはもったいないと思っています。だから僕はあくまでも、家庭教師みたいにこう考えたらよくなるよという、少し離れたところから伴走したいと思っています。
中小企業でのPR活動は、ECといったオンラインでの反響だけでなく、バイヤーさんがホームページを通して企業を知り、長期契約に至るような事例もあります。そういう意味でも、中小企業のコミュニケーション能力を高めることで、中小企業のきらっと光る魅力を、発信するお手伝いをしていきたいです。
あとは、中小企業向けのPRワークブックもつくってみたいですね。そのワークブックに自社の伝えたいことがまとまっていて、半年後にはその本がPR活動の軸になるみたいな。その本を使いながら、長期的な伴走で広報のパートナー活動をしていきたいです。やりたいこと、たくさんありました(笑)!
ー堀川さんが企業のコミュニケーション能力を高めることで、魅力ある企業がたくさん見えてくるのではないかとわくわくします! 今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました!
<INFO>
合同会社あおに 公式サイト:https://aoni.jp/
====
文:外村祐理子、編集:谷尻純子
ありがとうございます。「パートナー」と言っているのは、あくまでも発信する主体は支援している企業の側にあることをちゃんと伝えたいからです。発信することを誰かにすべて委託してしまうと、企業メッセージが少しズレた状態で伝わってしまいかねない。それはもったいないと思っています。だから僕はあくまでも、家庭教師みたいにこう考えたらよくなるよという、少し離れたところから伴走したいと思っています。
中小企業でのPR活動は、ECといったオンラインでの反響だけでなく、バイヤーさんがホームページを通して企業を知り、長期契約に至るような事例もあります。そういう意味でも、中小企業のコミュニケーション能力を高めることで、中小企業のきらっと光る魅力を、発信するお手伝いをしていきたいです。
あとは、中小企業向けのPRワークブックもつくってみたいですね。そのワークブックに自社の伝えたいことがまとまっていて、半年後にはその本がPR活動の軸になるみたいな。その本を使いながら、長期的な伴走で広報のパートナー活動をしていきたいです。やりたいこと、たくさんありました(笑)!
ー堀川さんが企業のコミュニケーション能力を高めることで、魅力ある企業がたくさん見えてくるのではないかとわくわくします! 今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました!
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文:外村祐理子、編集:谷尻純子