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【イベントレポート】経営とブランディング講座 for Students

#JIRIN
2023.12.19
2023年11月に開催した、N.PARK PROJECT 初となる学生対象の講座「経営とブランディング講座 for Students」。先日開催した11月30日(木)の回で、全3回が終了となりました。

本講座は、2016年より中川政七商店が全国各地で実施してきた「経営とブランディング講座」を、学生が実践できるように内容を抜粋して提供するもの。対象者は奈良で活動を行う学生や、奈良での起業を視野に入れている学生です。なお本来は経営者向けに有料で開講している同講座ですが、今回は奈良市からの支援(奈良市 ふるさと納税制度を活用)により参加費無料での開催が叶いました。

様々な事業・活動を行う奈良の学生13名が集まり、ビジョンの立て方を学んだ本講座。
受講生としても参加した、JIRINスタッフ・萱嶋が参加者の視点から全3回の様子をご紹介します。

【第1回講座内容】すべてはビジョンからはじまる

本講座のゴールは、受講生がビジョンを定め、ビジョンを事業と結びつけること。
そのために、第1回ではビジョン策定に必要な知識のインプットを行いました。

まず学んだのが「ブランド」について。ブランドとは、「差別化され、かつ一定の方向性を持ったイメージにより、商品・サービス・会社にプラスをもたらすもの」と中川政七商店では定義しています。

そのブランドのイメージを作っていくことこそが「ブランディング」であり、伝えるべき情報を整理して正しく伝えることで、自分たちのあるべきイメージをお客さんの頭の中に作っていくことができるのです。

そして、ブランディングにおける最上位の概念が「ビジョン」。ビジョンに沿って事業戦略やその後の戦術などを考えることによって、一貫性のある施策が可能になるということを学び、改めてビジョンの重要性を感じました。

ビジョンの位置づけを理解した後は、実際にビジョンをつくってみることに。
以下の図にある7つのポイントを踏まえて、受講生各自がビジョンと向き合いました。

【第2回講座内容】ビジョンへのフィードバック

第2回では、第1回を経て受講生が策定したビジョンに対し、講師の安田(中川政七商店 教育グループ グループ長)がフィードバックを行いました。

フィードバックとして特に多く話されたのは、

「自分が背負える範囲になっているか」
「綺麗事ではなく、自分のテンションが上がる言葉になっているか」

という2点。

前者については、目標が大きいことは決して悪いことではないのですが、学生が「世界」や「日本」を掲げてしまうとあまり現実味がないのが正直なところ。まずは自分の背負える範囲でビジョンを掲げることで、具体的なアクションに踏み出せます。

また後者については、他者との壁打ちを通じて、自分の本音を引き出してもらうことが有効だと感じました。ビジョンは自分ひとりで考えていると、どうしても綺麗事に寄りがち。言葉としては綺麗にまとまっていても、そのようなビジョンはひっかかりが無く、誰かの心に留まるものになりません。

刺さるビジョンにするためには、自分の本音や熱い思いを改めて言語化することが必要です。自分ひとりでは、自分のどこに本音が隠れているのか、何に対して熱くなっているのかが意外とわからないもの。ビジョン策定には、他者との対話を通じて、自分の内に秘めている気持ちを明らかにすることが欠かせない工程だと感じました。

【第3回講座内容】事業プラン発表会

第3回では、これまでの講座のまとめとして、受講生による事業プラン発表会を実施。磨きのかかったビジョンと今後の事業展開について発表いただきました。以下では、優秀賞に選ばれた2組についてご紹介します。

■阿修羅三つ巴Radio!
1組目はラジオで奈良の情報発信を行う「阿修羅三つ巴Radio!」の皆さん。団体名には「興福寺の阿修羅像のように三者三様に個性を光らせ、奈良を代表する番組を作りたい」という想いが込められています。彼女たちは「自分たちが情報を届けたい学生層に、うまくアプローチできていない」という課題を背景に、今回の講座に参加したといいます。
今回の講座を経て策定したビジョンは「ラジオから、奈良で送る学生の青春を届ける」。

学生がターゲットであることを明確に示し、さらに”青春”という学生らしさのあるワードを入れたことで印象的なビジョンとなりました。

講師からは、学生に番組へ積極的に出演してもらうなど、「学生と一緒につくるラジオ」にしていくのが良いのではとのフィードバックが寄せられました。奈良の学生との協力関係を築いていくことで、ラジオがより身近になっていくことが期待できそうです。また、彼女たちは講座を経てクラウドファンディングに挑戦することを決意。ビジョン策定が活動継続の意志を固めることにつながりました。
■株式会社POI(清水和輝さん)
2組目は近畿大学発ベンチャー・株式会社POIの代表を務める清水さん。株式会社POIは昆虫食に関する講演・イベント事業、昆虫食の開発・販売、観光・地方創生との連携事業などを行っており、昆虫食の未知なる可能性を探究しています。
今回の講座を経て策定したビジョンは「『昆虫食』で既成概念をぶっ壊す」。

ストレートかつインパクトのある、清水さんらしいビジョンとなりました。

「昆虫食」というと、「環境にやさしい」のようなソーシャルビジネスとしての側面が強調されがちですが、清水さんが昆虫食事業に取り組むのは自身の「昆虫食が好き」という揺るぎない想いがあるから。この想いこそが清水さんの強みであり、他の事業者と一線を画す部分です。初めに策定したビジョンは「昆虫食で世界を変える」でしたが、講師との壁打ちを通して、改めてご自身の根源的な動機に立ち返ることができ、このビジョンに到達しました。

こうして、全3回の講座も終了。
学生対象の講座はN.PARK PROJECT 初の試みでしたが、講師との壁打ちや受講生同士の意見交換も活発に行われ、それぞれに学びの多い時間となりました。奈良がより学生が活躍できるフィールドとなるように、今後もN.PARK PROJECTでは学生の支援を行っていく予定です。受講生の皆さま、ご参加ありがとうございました!

受講生の感想

最後に、受講後に参加者の皆さまから頂いたアンケートの感想を、一部ご紹介します。

「自分の団体だけでなく他の団体の方のビジョンを聞いて、それぞれの個性やオリジナリティが出るビジョンに進化していく過程を見られた」

「講座が進むごとに他の参加者の変化が見て取れたので、その変化を自分に置き換えて参考にできる機会になった。今後奈良で事業をするにあたって間違いなく力になったし、モチベーションも上がった」

「ビジョンをはじめとした活動への想いを言語化することに時間を割いておらず、そのせいで方向性がずれることがあった。そのため今回の時間であらためて想いや今後の方向性を整理できたのは、これからプロジェクトを進めていく上でもいい時間だった」
【受講生の活動一覧】

・芋処 みやじ Instagram
現役大学生が運営するお芋専門店。老若男女問わず、多くの方に愛される暖かいお店を目指しています。

・学習塾talk+ HP/Instagram
大学生4人組が自分たちが持つ過去の経験を活かし、こども達と目線を合わせ、こども達の成績と人間性を楽しく伸ばすことを目的としている学習塾です。

・株式会社POI HP
昆虫食の企画・開発、講演等を通じて、食の新しい選択肢を示しています。

・カレーサンド屋‐だらだらするだら? Instagram
現役大学生が運営する、世界に一つだけのカレーサンド専門店です。

・社会探究隊もっけ Instagram
関西の大学生が集まって、社会の思いがけない幸せ(もっけ)を届ける団体です。

・ならどっとFM「阿修羅三つ巴Radio!」Instagram/X
奈良が大好きな現役女子大生3人組による「学生ラジオ」
毎月第2・第4火曜日の20:30〜21:00に生放送を行っています。

・Brave Valley HP
全国各地でのテントサウナイベントの企画やサウナを通じた地域創生事業を行っています。

・未来のおとながつくる!パークマーケット Instagram/note
”奈良の公園を高校生が本気で学んで遊べる場所にする”をモットーに、イベントの出店から運営までを高校生が行います。


文:萱嶋有咲
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