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堀内果実園#03

志を持ち、ブランドを育てる

RELEASE
2020.11.01
奈良県五條市西吉野町は古くから柿の栽培が盛んに行われてきた地域です。堀内農園(現、堀内果実園)は創業明治36年。現在は6代目の堀内俊孝さんが跡を継ぎ、農薬使用を約5割に抑えた特別栽培で柿、梅、すもも、かりん、ブルーベリーなどを栽培しています。

若者の果物離れや、天候によって収益が大きく左右される農業のあり方に疑問と危機感を抱いていた堀内俊孝(ほりうち としたか)さんは、奥様の奈穂子さんとともに約20年前から加工品を開発してきました。しかし、法人化のタイミングで売上や雇用のことなど抱える悩みも多かったと言います。

そんな時、堀内さん夫妻がコンサルティングを依頼したのが株式会社中川政七商店(以下、中川政七商店)でした。ブランドの顔ともなるロゴ、ネーミングやホームページ開発、商品開発のサポートを受け、販路は飛躍的に拡大し今では奈良と大阪にカフェを2店舗、東京に物販の直営店を1店舗を持つまでに成長しました。

いち老舗農家であった堀内さん夫妻がどのような経緯で中川と出会い、どのような支援を受けてフルーツを核とするビジネスを展開するに至ったか、前・中・後の3編でお届けします。
堀内果実園(ほりうちかじつえん)
奈良県南西部の五條市にある農園。明治36年の創業以来、柿・梅などを中心に果樹栽培を専門に行う果樹農家。2012年に中川政七商店のコンサルティングを受け堀内農園から堀内果実園として生まれ変わり、現在ではフルーツの生産、加工品の製造・販売、「くだものを楽しむお店」をコンセプトにしたカフェの運営までを手がけている。

ブランドをリリースして変わったこと

2012年9月よりコンサルを受けて「堀内果実園」としての商品ラインナップを5ヶ月で確立させた堀内俊孝さん・奈穂子さんご夫妻。ブランドデビュー後は想像以上の慌ただしい毎日が待っていました。

2013年5月には農家としての堀内農園から株式会社堀内果実園へと法人化。ブランド確立と同時に中川政七商店での販売をはじめ、合同展示会「大日本市」へも出展を続ける一方で、中川政七商店からのアドバイスをもとに自分たちでも独自に販路を拡大させようと積極的に展示会出展も続けていました。

「中川さんからは積極的に出展するように言われましたし、その際どこにでも出すのではなくて、エンドユーザーのラインを落とさないように慎重に見極めるようにとアドバイスをいただきました」と奈穂子さんは言います。そしてそんなある日、販路が一気に拡大する出来事がありました。東京・六本木にある大手アパレルのセレクトショップESTNATION(エストネーション)で期間限定の取り扱いの話が舞い込んだのです。

「ESTNATIONでの販売は、他のアパレルさんの目に留まったようで『うちでも取り扱いたい』『販売には資格が必要か?』など多くの問い合わせをいただきました。この時からこちらからデパートや商業施設に営業をかけるということがなくなったように思います」。その後もH.P.France、アーバンリサーチ、JUNグループ、アダムエロペなど日本を代表する大手アパレルとの取り引きが続きました。

既存のデパートやマルシェの販路は「食品」としての取り扱いでしたが、アパレルという別業種での販路がブレイクしたのです。

地域に活気を呼び込みたい

ブランドのローンチから1年経った2014年。コンサルの一環として中期計画書提出の課題がありました。「初めてなので、どうやって作ったらいいんですか?」と尋ねながら3ヵ年での売り上げ目標を数値化しました。この時点で、すでに堀内さんたちは次なる展開を見据えていました。そして翌2015年に作成した10カ年計画のなかにはビジネスがゴールとするビジョンがしっかりと盛り込まれていました。

それは堀内果実園で奈良・吉野を知った人たちがこの土地を訪れ、さまざまな体験を楽しんでいただくこと。ひいてはそれが地域活性化に繋がること。このゴールを目指して、ブランドのローンチから休む間もなく堀内果実園は次なる展開に入りました。

それは直営店舗のオープンです。堀内さん夫婦は柿だけではなく、果物全般を食べるお客様層を育てることを主眼に置いていたこともあり、フレッシュな果物をもっと味わってもらいたいという思いも大切に育ててきました。最初から念頭にあったのは都心部での出店。第1段はお膝元奈良での直営店となるカフェのオープンを目指して、再び奈穂子さんは中川政七商店に相談することにしました。
店舗展開の相談を受け、中川政七商店では新しいクリエイティブチームを発足させました。白羽の矢が刺さったのはバイヤーであり店舗構築のスペシャリストであるmethodの山田遊さんです。

山田さんを交えて、まずはどんなポジションのカフェになるのかのアイデア出しが始まりました。「パフェだけで数千円する超高級店とは違う。かと言って街の果物屋とも違う。台湾にあるような彩の良い、庶民的で活気のある感じはどうだろう」、と様々なイメージが出ましたと奈穂子さんは言います。

ブレストの後最終的には農家の強みを生かし「農家が提案する生のくだものを楽しめるカフェ」というコンセプトが絞られていきました。

メニュー開発は食べておいしいのは当たり前、果物をメニューの中にしっかりと使うことを軸に行われました。いたずらにメニューを増やさず、サンドイッチ、スムージー、ジュースをベースにしたメニューが決まりました。
「ブランドイメージを確立するために、コンサルチームのメンバーである山田遊さんから『他と食べ比べてもやっぱり堀内果実園が美味しい』と言ってもらえるものを、とアドバイスがあり、フルーツサンドがメニューに加わったんです」と奈穂子さんは言います。

メニューを決定した後は、堀内さんが自ら希望し関祐介さんが設計をつめました。しかし堀内果実園にとって飲食店の経営は、全く初めての試み。飲食店は開業の許可一つをとっても、何をどう販売するかで「菓子製造業」・「惣菜製造販売」などと取得すべき許可が異なります。そしてその許可に応じて必要な設備も変わりました。レジを持ち、従業員を雇い、自家で栽培しないバナナやパンなどの調達は新たに契約先を見つけるなど、やることは山のようにありました。

「そりゃもう、知らないことだらけ。勉強、勉強の毎日でしたよ」と奈穂子さんは言います。何でもまっしぐらで体当たり。従業員の面接も書類選考はせず、応募した全員と面接を行うなど、一つ一つに時間をかけました。

こうして何とか2017年6月に奈良三条通店がオープン。店舗はガラス張りの大きな扉と真っ白に塗装した壁面が印象的な、シンプルでクリーンな空間になりました。まるでパリの街角にあるブティックを思わせるような洗練された佇まいに、男性客やお年寄りは入るのを躊躇う人もいた、というほど。「お店に入ってくる人がみんな『ここ、奈良じゃない』と仰ったのが印象的ですね。奈良の街は和のテイストに溢れているので、奈良らしくない内装であることで、かえって堀内果実園としてのブランドのメッセージが伝わりやすかったと思います」と奈穂子さんは笑います。



2019年3月には商業施設グランフロントのリニューアルオープンと同時にB1Fで直営店をオープン。続く2019年11月には東京・渋谷にオープンした渋谷スクランブルスクエア開業と同時に1Fに堀内果実園ecute EDITION渋谷店をオープン。東京の直営店は今のところ物販のみですが、「店舗展開するなら10店舗ないと厳しいですよ」という中川からのアドバイスもあり、さらなるカフェのオープンを検討しているそう。
グランフロント大阪店
堀内果実園ecute EDITION渋谷店
NAKAGAWA’s eye
「お店を持ちたい」という欲求はものづくりをしていると必ず出てくるものです。しかしながらものづくり=製造業と小売業は全く違う商売です。安易に考えてはいけません。
堀内さんの場合、最終的なゴールは明確で「本拠地である吉野まで人を呼び込みたい」、それを実現するための店舗展開です。故に最終的には東京を含め10店舗くらいはやっていくぞという覚悟を持ってスタートしました。
とはいえ飲食店のオペレーションは初めてなので、まずはそれを作っていくために奈穂子さんの目の届く地元奈良からスタートすべきだと進言しました。
INFO

堀内果実園

堀内果実園
奈良県五條市西吉野町平沼田1393
https://horiuchi-fruit.jp/
facebook https://www.facebook.com/horiuchi.fruit.farm/

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文:Hemmendinger 綾 写真:奥山晴日

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