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TEDxYouth@Wakakusa#01

学びを絶やさないために。TEDxYouth@Wakakusa開催へ

DEVELOPMENT
NEW2021.01.20
奈良公園や東大寺などの観光名所がある近鉄奈良駅から、電車に乗ること一駅。マンションや塾が多く建ち並ぶ近鉄新大宮駅には、一つ前の雰囲気とはがらりと変わって生活のにおいがする街並みが広がります。

ここから、さらに歩くこと約20分。自然あふれる山腹に立地する、奈良教育大学附属中学校には、世界大会に何度も出場するほどの実力を持つ、一つの部活が存在します。

その部活こそが、本記事の主役である2人が出会った場。全国に名を轟かせるその部活は「科学部」といい、日本はもちろん、世界的なロボットコンテストで入賞を果たす生徒を多数輩出しています。

科学部の同期として出会った小野さんと長野さんは、現在大学2年生。彼らは今、アメリカの非営利団体「TED」よりライセンスを受け、「TEDx」を奈良の地で開催すべく奔走しています。

TEDとは「Ideas worth spreading」、つまり「広めるべき価値のあるアイディア」というコンセプトのもとで、プレゼンテーションイベントを組織している運営団体、およびイベントのこと。オンライン上にアップロードされ無料で視聴できるTEDの動画には、ビル・ゲイツ氏やイーロン・マスク氏などの著名人も多く登場します。

その理念に共感し、同様のイベントを主催するべく世界の各地域で独自に組織されたコミュニティ、およびイベントがTEDx。日本ではこれまで、TEDxTokyo、TEDxKyotoなどが組織されてきました。TEDxYouthとは、いわばこの若者向け版です。

「なぜ、奈良でTEDxを?」

2021年1月24日(日)に控えた初開催を前に、その経緯と準備を進める中での学びを教えてもらいました。
TEDxYouth@Wakakusa
左:長野 春太、右:小野 秀悟

TED本部から正式にライセンスを受け、2020年8月に奈良教育大学附属中学校出身のメンバーを中心に発足したTEDx団体。2021年1月24日(日)に開催予定の「TEDxYouth@Wakakusa 2021」では、 "Connect -Move myself, Break myself-" というテーマのもと、奈良にある画期的なアイデアを共有し、広めることを目指す。
小野さんは同団体のCo-organizerを、長野さんはCo-organizer兼Curatorを務める。

科学部で出会った"よきライバル"

「僕は『こういうことをやりたい』とか、理想や想いがとても強いタイプ。それを確実に遂行できるように、落とし込んでいってくれるのが長野です」(小野さん)

アイデアマンで行動力があり、TEDxYouth@Wakakusaの発起人でもある小野さんと、驚異的な遂行力があり心強い参謀である長野さん。現在20歳と19歳の2人の出会いは、奈良教育大学附属中学校の科学部でした。

京都府出身の小野さんは、小学生時代は目立ちたがり屋だったそう。学級委員長をやるようなタイプで率先してみんなの前に立ち、活動していました。

「でも、目立つ奴はたたかれるというか、ある時からいじめられるようになった。それで、地元の中学校に行きたくなくて、この中学校を受験しました」(小野さん)
国立中学校には十人十色の個性が集まり、また、先生たちもその個性を認めてくれる校風のイメージがあったことが、入学の決め手になったのだといいます。

入学後、お祖母様が大のロボット好きであった影響から小野さんは科学部へ入部。そこから科学部ライフが始まりました。

小野さんが「自身のターニングポイントになった」と教えてくれたのは、中学生活最後の全国大会で敗退してしまったこと。

入部後、中学1年生の時に初めてのロボット大会であるWRO(World Robot Olympiad)Japanの初心者カテゴリーで、初出場にしてなんと全国1位の座に輝いた小野さん。その後、世界大会へも出場しました。

華々しいスタートをきり、翌年の中学2年生でも世界大会への切符を手にするなどして周囲からの期待を集めていた小野さんですが、ところが、中学3年生で迎えた中学生活最後の全国大会では、他の強豪を前に敗れてしまいます。

「それまで成功体験ばかり積んでいて、この大会でも期待をいただいていたのですが負けてしまって。頑張っても勝てないという大きな壁にぶつかりました。この時はすごく悔しくて、後味が悪かったです。

でも『負けて、それで終わり』は嫌だったので、僕としてはこの壁を打ち破りたいなと。そこから、改めて失敗を恐れずに果敢に挑戦することを心に決め、何事にも遮二無二努力するようになりましたね。その結果、例えば高校では起業コンテストに出場したのですが、起案した内容を評価いただき、世界大会にも出場できました。

そんな風に必死に努力しているうちに、答えのない不確かな問いに挑む面白さがわかってきて。この経験は、TEDxを開催するにあたっての想いにも活きています」

一方、長野さんはというと、こちらもロボット一筋の3年間。「のめりこんだら、とことん突き詰めるタイプ」で、なんと小学校5年生の時には、漢検1級を取得するほど漢字を勉強したそうです。
奈良教育大学附属中学校の受験を志したのは「世界大会に行くような部活があるらしい。面白そうやな」と思ったことがきっかけ。それまでロボットには全く興味がなかったという長野さんですが、科学部に入部してからの功績は素晴らしいものとなります。

「僕のチームが出場していたのはWRO大会の『オープンカテゴリー』。毎年テーマが決められていて、そのテーマに沿ったロボットをつくるんですけど、性能だけじゃなくって研究内容や発表内容も含めて総合評価される部門です」(長野さん)

中学1年生の時に出場した大会で優秀賞に選ばれ、世界大会へ。ただ、世界の壁は厚く、惜しくも負けてしまいます。そこから奮起した長野さんとチームメンバーは努力を続け、中学2年生の同大会でも見事優秀賞に入り、世界大会でも優勝を果たしました。これは、日本勢としては初めての快挙だったそう。
世界優勝した当時に発表したロボット
そんな長野さんですが高校ではロボットには携わらず、興味をクイズへ向け、某テレビ番組の高校生クイズ大会で全国2位になるほどに。現在も大学ではクイズ研究会に入っているのだといいます。

2人は中学生の時から「良き仲間であり、ライバル」。お互いの存在に刺激をもらいつつ、助け合う。そんな関係は今でも続いています。

「学びを絶やしたくない」想いから、TEDx立ち上げを決意

小野さんがTEDxを奈良の地で立ち上げようと思ったのは、当時メンターとして関わっていた奈良教育大学附属中学校の科学部が、新型コロナウイルスの感染拡大で世界大会へ出場できなくなってしまったことにありました。

「指導していたチームが全国大会で優勝し世界大会へ出場できることになったのですが、新型コロナウイルスの影響で世界大会が中止になって。落ち込んだ中学生と電話をしている時に『大会がなくなったから何もやらないっていうのは面白くないやんか。何かしようよ』って自然と言っていました。『TEDxを開いたらいいんちゃう?』って」(小野さん)
2人曰く、ロボット競技の面白さはロボットをつくることだけでなく、そこから得る学びにあるそう。ロボットをツールとして、チームワークや人間力を学べることこそが、この競技の醍醐味なんだと教えてくれました。

その「学び」は、別の場でもできるはず。そう思った小野さんがひらめいたのがTEDxでした。中学生や高校生と一緒にTEDxを主催して、ロボット競技で得られるような学びを、TEDxで得られないかと考えたのです。

もともとTEDが大好きだったという小野さんは、中学生の時から「いつか絶対に出たい」と思い続けていたそう。そしてついに大学生の時、通っている同志社大学でTEDxDoshishaUが催されることとなり、スピーカーとして登壇します。

スピーカーの立場からスタッフ側の動きを見ていて「すごく面白そうだな、自分も開催側に回ってみたいな」と思った小野さん。常々、科学部の尊敬できる同期たちと何かを起こしてみたいと考えていたこともあり、同期や中学生、高校生、大学生を巻き込み奈良でTEDxを開催しようと決めました。

面白そうなことには迷わずチャレンジするという長野さんは、小野さんから話を持ちかけられたその場で、二つ返事で快諾。同じ場にいた他の同期2人も賛同し、4人をコアメンバーとしたチームが立ち上がりました。

苦労する経験も、全部が「楽しい学び」

TEDxを開催するにはまず、本部アメリカのTEDよりライセンス認証を受けなければなりません。申請を担当したのは長野さんでしたが、英語でのその作業はとてつもなく大変で、夜中の3時、4時まで奮闘する日々がしばらく続いたそう。

それまでもしっかり英語を学んできた2人でしたが、私たちが普段の会話では何不自由なく日本語を使えても正式な業務書類では戸惑うように、英語での申請には相当な難しさがあったのだといいます。

でも、「大変だった」と語る長野さんの表情は、どこか楽しそう。
他に、高校生や大学生を中心に組織されている若いチームをどう動かすかも、頭を抱えた点。スポンサー企業から資金援助を受けて開催するため学生気分が通用しないシビアな面もある中で、チームの士気をあげ、目指したい方向へ導くためのトライ&エラーは今もなお続いているのだそうです。

そんな大変な準備も、2人が大切にするのは「とにかく、楽しくやること」。もともと「学ぶ機会を絶やしたくない」という想いから誕生したこの取り組みでは、自分たちがいかに楽しく学べるかがとても大切な軸となっています。

「大学の授業を聞くみたいなTEDxは嫌で。面白い要素が欲しくて、プロジェクションマッピングを入れてみようかなとか、オーケストラに来てもらおうかなとか考えています。主催者側も参加者側も、とにかく楽しんで学んでもらいたいですね」(小野さん)

「知らないものを知るって、僕、すごく好きなんです。知らないより知っているほうが絶対楽しいし、世界の見方も変わる。どう考えてもバイトやクイズをしているだけではできないことが、いまTEDxYouth@Wakakusaを通じて学べています。

参加いただくオーディエンスの方々に学んで欲しいという想いはもちろんあるけど、それ以上に、自分たちが一番学べているかもしれない」(長野さん)
本大会の責任者としてチームを見守っているのは、中学校時代に科学部の顧問であった葉山泰三先生。その葉山先生もまた、彼らの動きを見ていて心にグッとくるものがあったそうです。

「学校で学んだことがどうしたら生き方に反映されていくのかというのは、僕ら教師にとって永遠のテーマなんですが、コロナ禍では学習にとてもダメージがあって。オンライン授業で知識を補充することはできても、何かをじっくり調べて課題を探しながら解決するには、圧倒的に時間や環境が足りないんですよ。

生徒たちは一見すると学んでいるようですが、学びから出てくる意見が薄くなってしまっている。それに教師はすごく危機感を持っています」(葉山先生)

後輩たちを巻き込んで学びの種をまく小野さんや長野さんの活動は、コロナ禍で失われたものを育んでくれる活動だ、と感じている葉山先生。ご自身もまた、学びの種まきを彼らと一緒に楽しんでやっているのだと教えてくれました。

「今の大学生は答えを欲しがる学生が圧倒的に多いですが、小野君や長野君は逆に答えは欲しがらない。自分でつくることにこだわります。

過去に科学部の活動を通じてまいた種が芽吹いて、私も一緒に楽しませてもらって、次の世代に繋がっている。答えがないものをどれだけ楽しむかの輪がどんどん広がり、彼らに巻き込んでもらった生徒たちも、学ぶことを楽しみだしていますね」(葉山先生)

TEDxYouth@Wakakusaはゴールでなくスタート

小野さんと長野さん曰く、TEDxYouth@Wakakusaはゴールでなくスタート。

「当日で終わりにするのではなく、自分たちがイベントを開催した後に、何が起こるか。そこがゴールだと思います。ある人が何かを学んで、その学びを別のところで還元して、その連鎖を奈良の地をベースに広げていってもらったら面白いんじゃないかな」(長野さん)

「奈良ではまだあまりTEDxは知られていませんが、世界で見るとTEDなんて当たり前なんです。教育の教材としてもよく使われているし。

自分の中では『奈良から世界に』っていうキーワードがあって。TEDは世界的な団体なので、世界に発信できる機会だと思います。奈良で光ってる人にスピーカーとして立っていただき、そのアイデアを世界に発信していきたいですね」(小野さん)
INFO

TEDxYouth@Wakakusa

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文:谷尻純子 写真:奥山晴日

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