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TEDxYouth@Wakakusa#02

当日うまれた学びとは?TEDxYouth@Wakakusa2021開催レポート

RELEASE
2021.03.16
奈良公園や東大寺などの観光名所がある近鉄奈良駅から、電車に乗ること一駅。マンションや塾が多く建ち並ぶ近鉄新大宮駅には、一つ前の雰囲気とはがらりと変わって生活のにおいがする街並みが広がります。

ここから、さらに歩くこと約20分。自然あふれる山腹に立地する奈良教育大学附属中学校には、世界大会に何度も出場するほどの実力を持つ、一つの部活が存在します。

その部活こそが、本記事の主役である2人が出会った場。全国に名を轟かせるその部活は「科学部」といい、日本はもちろん、世界的なロボットコンテストで入賞を果たす生徒を多数輩出しています。

科学部の同期として出会った小野さんと長野さんは、現在大学2年生。2020年夏、彼らはアメリカの非営利団体「TED」よりライセンスを受け、「TEDx」を奈良の地で開催すべくその活動をスタートしました。

TEDとは「Ideas worth spreading」、つまり「広めるべき価値のあるアイデア」というコンセプトのもとで、プレゼンテーションイベントを組織している運営団体、およびイベントのこと。オンライン上にアップロードされ無料で視聴できるTEDの動画には、ビル・ゲイツ氏やイーロン・マスク氏などの著名人も多く登場します。

その理念に共感し、同様のイベントを主催するべく世界の各地域で独自に組織されたコミュニティ、およびイベントがTEDx。日本ではこれまで、TEDxTokyo、TEDxKyotoなどが組織されてきました。TEDxYouthとは、いわばこの若者向け版です。

2021年1月24日(日)に初開催を終えたTEDxYouth@Wakakusaは、彼らにとって、また参加者にとってどのような機会となったのか。開催後、彼らに改めてインタビューしてみました。当日の様子と合わせてお届けします。
TEDxYouth@Wakakusa
左:長野 春太、右:小野 秀悟

TED本部から正式にライセンスを受け、2020年8月に奈良教育大学附属中学校出身のメンバーを中心に発足したTEDx団体。2021年1月24日(日)に開催された「TEDxYouth@Wakakusa 2021」では、 "Connect -Move myself, Break myself-" というテーマのもと、奈良にある画期的なアイデアを共有し、広めることを目指した。
小野さんは同団体のCo-organizerを、長野さんはCo-organizer兼Curatorを務める。

緊張と興奮の中、スタート

記念すべき第1回目のTEDxYouth@Wakakusa当日の天気は、あいにくのそぞろ雨。ですが、開始時間より少し早く会場の奈良教育大学に到着すると、緊張と興奮が入り混じったような、楽しそうな表情の中学生・高校生・大学生のスタッフたちが、せかせかと駆け足で準備を進めていました。
開場を待つ顔ぶれはというと、制服を着た中学生・高校生や引率の先生はもちろん、発表者や参加者の親世代である40代・50代と思われる方々も目立ちます。また、久しぶりの再会を喜ぶ、地元出身の20代も。さらにはまさに今、奈良を拠点としたチャレンジを牽引している、30代の事業者たちもちらほら見かけました。
「お待たせしました! 今から、ご入場いただけます!」

お客さんを迎えるスタッフたちの、少しうわずった声と、学校で見せるやわらかい表情とは違った精悍な顔立ち。この場に集まったのは聴講者100人に発表者4人、そして、50人のスタッフ。今日何が起きるかは誰にも予想できないけれど、でもきっと、今までにない何かが起きるのだと、誰もが期待に胸を膨らませている様子でした。

「どんな感じになるんやろ。皆が何を考えてるんか楽しみやわ」。受付を終えて席に着くと、後ろの席からもそんな声が聞こえてきました。

場内が期待の空気に包まれる中、まず勢いよく音を奏でてスタートしたのはワールドシップオーケストラによる演奏。ワールドシップオーケストラとは、発展途上国の子どもたちに初めてのオーケストラを届ける、NPO法人です。

軽快に刻まれるリズムの後には、TEDxYouth@Wakakusaのロゴをモチーフにしたプロジェクションマッピングが続き、会場が温まった頃に本イベントの主催者である小野さんと長野さんが登場。司会を務める2人の声からも、緊張と興奮が感じられました。

「さあ、いよいよスタートです!」

失敗から学び、工夫したことを、それぞれが力強くメッセージ

当日の発表者は4人。高校2年生の川端優木さんによる「変人のススメ」から始まり、大学2年生の井上信多郎さんによる「敗者にならない方法」、高校3年生の藤枝樹亜さんによる「車いすになってわかった自分の殻を破る方法」、そして奈良県内の人気とんかつ店・まるかつの店長である金子友則さんによる「倒産寸前から復活したとんかつ店の秘密」と続きました。

全ての発表に共通していたのは、それぞれが大きな失敗を元に工夫したこと、学んだことを力強くメッセージしていた点。

例えば井上さんは、中学生から始めて今も続けているロボットコンテストへの挑戦を通じ、「敗者にならない方法があるとすれば、挑戦者であり続けることだ」と考えるに至った経験を語りました。世界大会での優勝一歩手前でロボットが作動しなくなるなど、悔しい敗北を経験した井上さん。それでもなお成功を手にすべく愚直に挑み続ける姿には、多くの聴講者が刺激を受けたことでしょう。
井上信多郎さん
金子さんもまた、商売が上手くいかず一度はどん底を味わったものの、シンプルに「お客さんはどうすれば喜んでくれるのか?」に立ち戻り、数々のユーモアな施策を打ち出した経験を聴講者に共有。

「アピールしたい内容を1枚のシートにして、自分の背中に貼って接客する」「生活に困っているお客さんには、“店長のオゴリ”で食事を提供する」など、一見奇抜に思える取り組みの根底には「正しいこと、喜んでもらうこと、傷つけないこと、(各施策の意図や想いを、お客さんに)丁寧に説明すること」を大事にする、お客さんを想う金子さんの心が伺えました。
金子友則さん
講堂で発表が終わった後は、別の教室へ移動して各発表者との交流や、質疑応答の時間。発表者が当時感じていた不安や、新たにチャレンジし始めていることなど、ダイレクトなやり取りを通じてより詳細に教えてもらう場が設けられていました。

印象的だったのは、当日のトップバッターでもあった川端さんの言葉。発表の中で彼は、「テーマである『変人』とは『変化し続ける人』である」と種明かしをし、高校受験失敗やコロナ禍での学習機会の消滅といった数々の試練をどのように乗り越え、自分を変え続けてきたのかを語りました。

人とは少し違った発想で行動する川端さんに、失礼かなと思いながらもこの交流の時間に「出る杭は打たれるというか、目立つがゆえに、誰かに陰口などを言われてへこたれそうになったことはありませんか? それはどうやって乗り越えましたか?」と質問してみると、こんな答えが返ってきました。
川端優木さん
「そういうことは確かにあるけどネガティブなままでは何も変わらないから、その批判もポジティブにとらえて、変化していく材料にします」

たくましく、いきいきと成長し続ける高校生の言葉に勇気づけられたのは、若い聴講者たちだけではなかったでしょう。

参加者それぞれが感じた学びの楽しさ

9時半から16時半までと長丁場とも思えたイベントは、面白いアイデアに続々と出合っているうちに、あっという間に終了。終わった後、スタッフとして参加していた3人の中高生に「今日の学びは?」と、聞いてみました。

「(コオーガナイザーの)小野先輩に最初声をかけられたときは、『TEDxなんて、ほんまにできるん? ましてやコロナ禍やし……』と思ったけど、縦・横・斜めのいろんなつながりが合わさってこのイベントができたことに感動しました。準備ではいっぱい失敗してきたけど、その中でいろんなことが学べた。失敗はマイナスじゃないな、むしろプラスなんだと身をもって学べました」(中学2年生/中村真太郎さん)

「コロナ禍でやることがなくて、何かしたいとモヤモヤしている時に声をかけてもらって参加を決めました。私は発表者をサポートする担当で、発表内容の原稿を添削したり、どう進めるか考えたりしていたんですけど、相手の良さをどう引き出すか考えるのってすごく難しいんだと知りました。でも、難しかったけど、楽しかった!」(高校2年生/仲あやかさん)

「私は昔、主催者の小野さんや長野さん、発表者の井上さんと同じ、奈良教育大学附属中学校の科学部でロボット競技をしていました。もちろん当時努力はしていたつもりやったけど、発表者の努力の仕方を聞いていると、自分は質の悪い努力をしていたなぁって思いました。やみくもに行動するのではなくて、今後はちゃんと目標を決めて、負けて得たものが学びに変わるような努力の仕方をしたいです。今回学んだのは、人との繋がりの大切さ。それが、いろんなきっかけになるんだなと思いました」(高校2年生/大西美和さん)
また、発表者として参加した藤枝さんもこう語ります。

「参加が決まってからは『本当に喋るのは自分でいいのか? 内容はこれでいいのか?』とか、ずっと心配で自信がなかったです。でも当日を終えて、参加者の方はもちろん、会場に来れなかった学校の友達や先生もYouTubeのアーカイブを見てくれて『あぁ、応援されてるんやな』って改めて思いました。他の発表者の方の発表方法も勉強になったし、今後自分が話す機会がまたあれば活かしていきたいです。あと、TEDxの運営側がすごく楽しそうだったので、自分もやってみたいと思いました」
藤枝樹亜さん
さらに当日の聴講者からは、「意味を持たずにただおくっている日常に、意味を見出す、すてきなイベントでした」「自分より頑張っている人がたくさんいて、その方たちの話を聞くことで、努力するジャンルは違えどいい刺激になりました」などの声が運営宛てに届いたそう。

最後に、今回の場を主催した小野さんと長野さんに改めて当日の感想を聞いてみました。

「今回はほぼ大人の手を借りず、中学生から大学生のメンバーだけでつくり上げました。気が回らなかった点もあったかもしれないけど、でも『自分たちがつくった』という意識を主催メンバーが持てたのは良かったと思います。0を1にする工程を近くで味わえたというか。関わってくれたメンバーたちも、自分たちのアイデアが人の心を動かしていることを肌で感じられたと思います。

今はもう早速、次のTEDxの構想を練っています。続けていくことはもちろんですが、ビジネスと教育を融合させて、より学びの機会にしたいですね。例えば社会人の方から広報の仕方を学び、実践につなげるとか。

学びをキーワードに奈良を変えていくことを、TEDxを通じて実践していきたいです」(小野さん)

「学生が本気になったらこんなことができるんだぞって、伝えられたかなと思います。スタッフとしても学ぶことが多く、自分も久々に何かに情熱を注げたと思う。発表者の4人も、個性を活かしながら期待以上のプレゼンをしてくれました。

卒業してから母校に行くことはほとんどなかったけど、後輩とも仲良くなれて縦や横の広いネットワークもできた。スタッフから『来年も、また参加します』って声があったのは嬉しかったですね。

引き続き学生主体で運営しつつ、今後はもっとTEDxYouth@Wakakusaを広めていきたいです」(長野さん)

コロナ禍で失われた学びの機会を、違う形で実現したいと始動したTEDxYouth@Wakakusa。楽しむことにこだわり、初開催にもかかわらず大人に極力頼らず運営した彼らの催しからは、失われたもの以上の学びを得た生徒、学生も少なくないでしょう。

若いエネルギーが今後の奈良にどのような変化をもたらしてくれるのか。私たち大人もまた、期待せずにはいられません。
NAKAGAWA’s eye
奈良でTEDxを開催する。小野さんと長野さんから話を最初に聞いた時、心躍り、すぐにうちで出来るサポートは何でもやると決めました。
「奈良やし」という言い訳が当たり前のこの土地で、自分で自分の限界を勝手に決めない彼らの眼差しに感動しました。
TEDx当日、運営に当たるメンバーが皆若いことに驚きました。聞けば中学生高校生だという。運営は大きなトラブルもなく見事なものでした。
TEDxというイベントを通じて小野さんと長野さんのマインド・志が更に若い世代に引き継がれていく、そんな素晴らしい光景を見ることができた一日でした。来年以降も出来る限りのサポートをしていきます。

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TEDxYouth@Wakakusa

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文/谷尻純子 写真/TEDxYouth@Wakakusa、谷尻純子

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